令和5年6月23日、東京大学駒場Ⅱキャンパスにて「流域治水を核とした復興を起点とする持続社会」地域共創拠点と地域気象データと先端学術による戦路的社会共創拠点(Clim CORE)による拠点連携シンポジウム「緑の流域治水×地域気象データ ~災害激甚化する国士について考える~」が開催されました。
オンラインでも同時開催し、オンライン参加者282名、対面参加者48名と多くの方にご覧いただくことができました。誠にありがとうございました。
開会のあいさつ
開会に際しては、両拠点のプロジェクトを採択した科学技術振興機構(JST)より財満プロジェクトオフィサーにご挨拶いただきました。
「流域治水を核とした復興を起点とする持続社会」地域共創拠点の講演
シンポジウムでは地域共創拠点の島谷プロジェクトリーダー(熊本県立大学)より緑の流域治水プロジェクトの全体像と現在の進捗についてのご講演があり、流出抑制としての雨庭の機能や緑の流域治水ツアーの開催などが紹介されました。
萱場教授(名古屋工業大学)より流出抑制技術として雨庭がどの程度の浸透能力があり、ピークの波を遅らせる機能があるのか詳しく解説がありました。また熊本県立大学に新たに設置された50mの水路を活用した急勾配での洪水波形を潰す研究を進めていくことが話されました。
蔵治教授(東京大学)からは、令和2年7月豪雨の球磨川の写真資料から、どのような森林で土砂滑りが起こっていたのか森林管理の観点からお話がありました。熊本県の南陵高校の森林での樹幹雨量の計測や雨水の蒸発散機能についての研究内容も紹介されました。
古田教授(大正大学)からは、熊本県球磨村神瀬地区を中心とした河川カメラの設置についてや、簡易な水位系を活用した面的なデータ収集を通じて地域DXを実現していく研究活動について紹介がありました。Starlinkの衛星通信を活用した通信網など、今後の展望についてもお話しがありました。
地域気象データと先端学術による戦路的社会共創拠点の講演
地域気象データと先端学術による戦路的社会共創拠点(Clim CORE)の中村プロジェクトリーダー(東京大学)より、プロジェクトの全体像のご講演がありました。気象庁と連携して気象データの新たなアルゴリズムによる再解析を行い、5kmメッシュでの気象データの表現ができるようになったことが紹介されました。
飯田副PL(東京大学)からは熊本県との連携事業についての紹介がされ、熊本地震を契機に熊本県・熊本大学と包括連携協定を結び、熊本県では気象データを活用した防災・減災のまちづくりが進んでいることが紹介されました。
パネルディスカッション
それぞれの拠点での発表が終わり、パネルディスカッションが行われました。
登壇者に加えて、リバーフロント研究所代表理事の塚原氏も加わり、拠点連携や激甚化する日本についての様々な議論が交わされました。互いにざっくばらんな内容もありつつ、連携をしていく重要性が確認されました。
閉会のあいさつ
最後に東京大学先端科学技術研究センター長である杉山氏から閉会のご挨拶があり、無事に幕を閉じました。
次回は熊本県立大学で開催する予定です。お互いに情報交換しながら今後も連携を深めていきます。
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